「営業経験あります!」と言われたら、多くの人は即戦力を期待します。
しかし、その経験が“テレアポ”なのか“対面営業”なのかで、求められるスキルや成果の出し方はまったく異なります。
同じ「営業」という看板の下にありながら、実は別競技レベルで動き方が違う——。
そこで今回は、テレアポと対面営業のギャップによる落とし穴と、それぞれの経験をどう活かせるのかを掘り下げていきます。
テレアポと対面営業は「同じ営業」じゃない
現場で本当に求められるスキルセットとは?
営業活動には大きく分けて「テレアポ(電話アポイント)」と「対面営業」の2つの手法があります。一見、どちらも商品やサービスを売る「営業」には変わりありませんが、実は必要とされるスキルや思考法、成功パターンは大きく異なります。それぞれの特徴・強み・弱みを徹底比較し、両者が生み出す新たな価値に注目していきます。
テレアポと対面営業の決定的な違い
接触時間の密度
- テレアポ:1本あたり数十秒〜数分。短時間で興味を引く必要がある。
- 対面営業:30分〜1時間が基本。関係構築や詳細説明の時間が取れる。
信頼構築の手段
- テレアポ:声のトーン・テンポ・間の取り方が命。表情や身振りは使えない。
- 対面営業:表情、姿勢、視線、資料などあらゆる情報が相手に伝わる。
ゴール設定
- テレアポ:次のアクション(アポ取得)がゴール。
- 対面営業:商談成立や契約締結まで持ち込むのがゴール。
「同じ営業経験」だと思った時の落とし穴
多くの企業が陥るのが、営業経験を“ひとまとめ”に評価すること。
テレアポの達人がいきなり対面営業に移ると、次のようなズレが生じがちです。
- 会話を深掘りするよりも、短時間でクロージングに行こうとしてしまう
- 顧客との雑談や信頼づくりに時間をかけすぎてしまう(逆パターンも)
- アポ取得後の資料準備や提案設計に不慣れ
逆に、対面営業経験者がテレアポに回ると、話を広げすぎて時間オーバーになったり、最初の興味喚起が弱くなったりします。
対面営業の特徴と強み
対面営業のメリット
- 空気感・表情から信頼を獲得
相手の表情や場の雰囲気を読み取り、雑談や身振り手振りで距離を縮められる。直接会うからこそ、場の空気を肌で感じて臨機応変に対応できる。 - 非言語コミュニケーションが活かせる
アイコンタクトや姿勢、声のトーンなど、言葉以外の要素で安心感や信頼感を与えられる。視覚資料や実物サンプルの使用で説得力も増す。 - 柔軟な提案が可能
相手の反応を見ながら、その場で話の方向性や提案内容を変更できる。 - 長期的な関係構築に強い
即決よりも信頼関係の土台づくりを重視でき、大型案件やリピート契約につながりやすい。
対面営業のデメリット
- 移動や準備に時間とコストがかかる
- 短期間で多くの顧客に接触する効率は低い
テレアポのメリット
- 短時間で勝負できる
表情や反応が見えない中で、声だけで心をつかむ力が求められる。第一声の印象やトーク構成力がカギ。 - 言語化力と論理性が磨かれる
身振りや表情を使わず、言葉だけで興味を引き、現状や課題を聞き出し、簡潔かつ的確に伝えるスキルが必要。 - 大量アプローチが可能
移動や待ち時間がなく、多くの見込み客に短期間でアプローチできる。PDCAを高速で回せる点が強み。
テレアポのデメリット
- 信頼構築や提案のカスタマイズは苦手
- 声だけのアプローチを敬遠・拒否される場合がある
対面ができる人ならテレアポもできる?
営業現場でありがちなのが、
「対面営業が得意=テレアポも得意」という思い込みです。
しかし実際には、両者のスキルセットは大きく異なります。
誤解の理由と現実
- 対面で通じた雑談力や空気読みは、電話越しでは相手に伝わりにくい
- テレアポで磨かれた論理的な構成力は、対面では「機械的で冷たい」と受け取られることも
- つまり、それぞれは別の武器であり、同じ土俵では戦えない
テレアポは下位互換ではない
- 専門性の高い手法であり、集中力・瞬発力・効率対応力など独自のノウハウが必要
- 「アポ獲得=ゴール」ではなく、マーケティング起点のリード創出や商談の橋渡し役として重要な役割を担う
成果を出すための考え方
- 「同じ営業」とひとまとめにせず、個別に鍛え、分業する戦略を取る
- 長期的には、この方が成果とチーム全体のパフォーマンス向上につながる
成功パターンの違いと共通点
共通する3つの力
- 関心を瞬時につかむ力
限られた時間で相手の興味を引きつけるスキルは、テレアポ・対面どちらにも必須。 - 聞く力(ヒアリング力)
相手の状況や課題を的確に引き出し、提案の材料にする力。 - メンタルタフネス
断られても立ち直り、次に切り替える精神力は両者共通の武器。
両者を掛け合わせた営業チームの可能性
テレアポと対面営業、それぞれのスペシャリストが連携すると、
「見込み客発掘」から「クロージング」まで無駄なく流れる営業プロセスが作れます。
- テレアポ:潜在顧客の発掘、リード創出を担当
- 対面営業:見込み案件の深掘り、クロージング、継続フォローを担当
- 分業することで、各メンバーが自分の強みに集中でき、チーム全体の成果を最大化
- 「テレアポ=下位互換」という偏見を払拭し、営業活動における専門性と価値を高められる
少人数組織なら…
- 両スキルを持つ人材育成も有効
- 「声」と「対面」の両輪を使える営業は、幅広い状況に対応でき、成果も飛躍的に高まる
違いを知れば、営業チームはもっと強くなる
テレアポと対面営業は、同じ「営業活動」というフィールドに立ちながら、求められるスキルセットはまったくの別物です。
それぞれの強み・弱み・活かし方を正しく理解することで、総合力の高い営業チームをつくることができます。
「テレアポ=効率だけ」「下位互換」といった偏見を払拭し、分業体制や専門性の高さを企業価値として打ち出すことは、結果的にお客様への価値拡大につながります。
特に、両スキルをカバーできる営業体制を持つ営業代行・BPO企業は、クライアント企業にとって戦略パートナーとなり、大きな差別化を実現できます。
そして「どちらの型にも強い」ということは、幅広く、かつ深くサポートできる証でもあります。
この両輪を回せる営業組織こそが、変化の激しい市場で継続的に成果を出し続ける存在となるでしょう。
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