営業レポート作成の基本と工夫|成果につながるレポートの書き方とは?

営業活動は「とにかく数をこなせば成果が出る」と思われがちですが、実際にはそう単純ではありません。
数多く架電や訪問をしていても、記録や振り返りをしなければ「なぜ成果が出たのか」「どこに改善余地があるか」は見えにくくなります。

そこで重要になるのが、営業レポートです。
営業レポートは、単なる報告書ではなく「営業活動をデータで可視化し、改善の手がかりを得るためのツール」として機能します。

ただし、やみくもに数値を並べるだけでは意味がありません。
大切なのは、数字を整理する → 分析する → 次のアクションにつなげる という流れを意識したレポート作成です。

本記事では、営業レポートの基本的な考え方から、自社で実践している工夫までをご紹介し、「成果につながる営業レポートの作り方」を解説していきます。

営業レポートとは?

営業レポートとは、営業担当者が日々の活動や成果を整理し、社内やクライアントに共有するための記録です。
単に「どれだけ動いたか」を示す作業報告ではなく、営業活動を可視化し、改善につなげるための資料 としての役割を持っています。

主な目的は大きく4つあります。

  1. 進捗管理
     営業プロセスのどこにボトルネックがあるかを把握する。
  2. 成果の最大化
     数値や顧客反応を振り返ることで、改善点を明確にする。
  3. チーム共有
     個人の活動を見える化し、組織全体で知見を活用する。
  4. 顧客対応の質向上
     商談ログや顧客の声を蓄積することで、次回の提案に生かせる。

このように営業レポートは、営業担当者自身の振り返りに役立つだけでなく、チーム・クライアント・経営層など、関わる人すべてにとって価値のある情報基盤となります。

営業レポートが求められる理由

営業活動は属人的になりやすく、「誰が・どのように動いているか」が見えにくいものです。
この“ブラックボックス化”を防ぎ、成果につながる行動を再現可能にするために、営業レポートは欠かせません。

具体的には、次のような理由があります。

  1. 活動の透明性を高める
     数字や記録を残すことで、営業活動を客観的に把握できる。
  2. 属人化を回避し、仕組み化する
     「できる人のノウハウ」や「成果につながったプロセス」を形式知として残し、チーム全体で再現できるようにする。
  3. 意思決定の材料になる
     マネージャーや経営層にとって、レポートは戦略やリソース配分を判断するための重要なデータとなる。
  4. クライアントとの信頼構築につながる
     成果報告を定期的に行うことで、透明性と誠実さを示し、パートナーとしての信頼を深められる。

つまり営業レポートは「報告のための書類」ではなく、営業活動を強化し、成果を最大化するための基盤 といえます。

営業レポートに盛り込むべき基本項目

  1. 架電実績
     全体の獲得数や、業種・業界・エリア・時間帯別の数値を整理する。
     一括りの「獲得件数」だけではなく、切り口を変えて集計することで「どの分野で成果が出ているか」が把握できる。
     また、単なる架電数だけでなく、決裁者に通じた数・アポイントにつながった数など、成果に直結する内訳まで記録する。
     数をこなすことと、結果につながる質のある架電を切り分けて見ることが重要。
  2. 商談獲得先の詳細
     企業名・担当者情報・架電ログを残す。
     「数値化できないやり取り」もログとして残すことで、次回の提案に活かせる情報資産になる。
  3. 総括欄
     全体の所感をまとめるだけでなく、分析に基づいた課題整理と改善提案を盛り込む。
     「今月はこうだった」で終わらせず、「来月はこう動くべき」という一歩踏み込んだ内容にすることが大切。

成果につなげる営業レポート作成のポイント

営業レポートは「書くだけ」で終わらせてしまうと、単なる作業にすぎません。
成果につなげるためには、次のような工夫が必要です。

  1. 数字の集計だけで終わらせない
    「今月は◯件獲得した」で終えるのではなく、その背景や要因を考察する。
    数字の上下だけを追うのではなく、“なぜそうなったか” を分析することが改善の出発点になる。
  2. 総括には次のアクションを盛り込む
    「来月はどう動くか」を提案まで書くことで、レポートが次の成果につながる。
    分析と提案がセットになることで、上司やクライアントとの打ち合わせが“報告”から“議論”へと変わる。
  3. 定性情報も残す
    数値だけでなく、顧客の声・反応・温度感なども記録することで、次の商談準備に役立つ。
    数字に表れない気づきを残すことが、差別化された提案のカギになる。
  4. チームで共有しやすいフォーマットにする
    個人の振り返りだけでなく、チーム全体で活用できるようにすることが大切。
    フォーマットを統一し、誰が見ても分かりやすい形に整理することで、情報資産の価値が高まる。
  5. ツールを活用して負担を減らす
    GoogleスプレッドシートやCRM、SFAなどを使えば、入力や集計を効率化できる。
    「負担が少ない仕組み」をつくることで、レポートが継続し、成果につながる運用が実現する。

自社での営業レポートの工夫

アスレバでも、営業レポートは「成果につながる仕組み」として位置づけています。
ここでは実際に取り入れている工夫を紹介します。

  1. Googleスプレッドシートを活用
    レポート作成には、誰でもアクセスしやすく更新しやすいGoogleスプレッドシートを使用している。
    クラウド上でリアルタイムに共有できるため、メンバーやクライアントが常に最新の情報を確認できる。
  2. 提出頻度は月1〜2回
    契約プランに応じて、月1回または月2回の頻度でレポートを提出。
    あえて過剰に頻度を上げず、「振り返りと改善にちょうど良いリズム」を意識している。
  3. 数字+ログ+総括を必須に
    レポートには、案件獲得数や架電実績などの数字だけでなく、商談ログと総括を必ず含める。
    数字は成果を把握する基盤、ログは顧客理解を深める材料、総括は改善アクションを導き出す場として位置づけている。
  4. 総括では分析と提案をセットに
    特に重視しているのが総括欄。
    単なる感想や事実の羅列で終わらせず、「データに基づいた分析」→「来月どう動くかの提案」という流れを必須にしている。
    これにより、クライアントとの打ち合わせが「報告の場」から「次の戦略を一緒に考える場」へと進化する。

上記は実際にアスレバにて使用している営業レポートの一例です。これを基本の型として、必要に応じてクライアント様毎にカスタマイズすることも。

営業レポートを活用して得られる効果

営業レポートを「数値集計のための書類」と捉えるのか、「次の行動を導くためのツール」と捉えるのかで、その効果は大きく変わります。
実際に運用していくと、次のような効果が得られます。

  1. クライアントMTGが“報告”から“改善提案の議論”に進化する
    総括に分析と提案を盛り込むことで、打ち合わせの場は「結果の確認」で終わらず、「次にどう動くか」を一緒に考える時間へと変わる。
  2. 商談ログの共有で提案の質が上がる
    顧客とのやり取りを残しておくことで、担当が変わってもスムーズに情報を引き継げる。
    また、チーム全体で知見を共有できるため、提案の質やスピードが高まる。
  3. 数値の分解で課題が明確になる
    「架電数は多いがアポ率が低い」「アポは取れるが商談成約につながらない」など、プロセスごとに数値を見れば、どこにボトルネックがあるかが分かる。
    その結果、改善施策をピンポイントで打ちやすくなる。
  4. 営業活動の再現性を高める
    「なぜ成果が出たのか」をデータと記録から振り返れるため、成功パターンを再現しやすい。
    個人の経験に依存せず、チーム全体で成果を出せる仕組みづくりにつながる。

営業レポートは「成果を生む仕組み」として活用しよう

営業レポートは、単なる作業や報告のための資料ではなく、営業成果を最大化するためのツール です。
数字を集計するだけで終わらせるのではなく、そこから分析を行い、次のアクションにつなげることで初めて価値が生まれます。

特に、総括欄に「分析+改善提案」を組み込むことで、クライアントとの打ち合わせが“報告の場”から“戦略を練る場”へと進化します。
また、商談ログや定性情報を蓄積することは、チーム全体の知見共有や営業活動の再現性向上にもつながります。

自社に合ったレポート形式を設計し、成果を伸ばすための仕組み として営業レポートを活用していきましょう。


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貴社のための専属チームを組成

営業戦略コンサルタント、作業の実行部隊、データアナリストの貴社専属チームを組成します。

最適なターゲットの選定、アピール文言の作成

専任コンサルタントがオンラインでの詳細ヒアリングをもとにターゲットの選定、アピール文言を作成します。

密なコミュニケーション

貴社の営業部隊として密なコミュニケーションを取りながら営業活動を行います。

PDCAサイクルの継続

中間・月次MTGにて振り返りを専任コンサルタントと行います。コンサルタントが次月への改善策を提案いたします。

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