BtoBカスタマーサクセスにおけるチェックポイント

【チェックリスト付き】

今、注目されているカスタマーサクセス(CS)

この記事では、カスタマーサクセスにおける必要なスキルとCS職種でない方向けにも顧客折衝の中でのコミュニケーションで気をつけるべきチェックポイントをお伝えしていきます。

  

カスタマーサクセスに必要なスキル

■コミュニケーションスキル

カスタマーサクセスに必要なスキルは、顧客との関係構築や課題解決を支援する役割から、多岐にわたりますが、「営業寄り」のコミュニケーションスキルも重要になります。

クライアントの理想像を明確に定義し、その実現に向けて継続的に伴走するのがカスタマーサクセスの役割です。カスタマーサポートと比較しても、より営業に近い側面を持つ業務といえます。クライアントと丁寧にコミュニケーションを重ねたうえで、「現状の課題はこうであるため、この方向性で進めましょう」と合意形成を図るスキルが求められます。

顧客の声を正しく理解するだけでなく、わかりやすく伝える力、口頭だけでなくメール・チャットでの対応力も必要です。

■課題発見スキル

顧客が抱える課題には、大きく分けて「顧客自身が気づいている課題(=顕在的な課題)」と「まだ気づいていない課題(=潜在的な課題)」の2種類があります。

カスタマーサクセスにおいて重要なのは、後者、つまり顧客がまだ自覚していない課題を見つけ出す力です。

顧客との会話や日々のデータから「なぜこのような状態になっているのか」「何がボトルネックになっているのか」を深掘りし、本質的な原因を見極めます。定量データと定性情報をセットで見る力や、顧客の業界動向や課題を理解しておくことで課題を発見しやすくなります。

■ プロジェクトマネジメントスキル

カスタマーサクセスの仕事は、「課題を聞いて終わり」「提案して終わり」ではありません。むしろそこからが本番です。顧客がサービスを最大限に活用し、理想の状態に近づけるまで、中長期的に伴走しながら進行を管理していく役割があります。

そのためには、提案した改善策を「いつ・誰が・どうやって進めるか」を明確にし、関係者と合意しながら実行まで導くプロジェクトマネジメント力が欠かせません。ですが、顧客の中には論理だけでは動かない方もいます。具体的なストーリーでクライアントの心を動かせる人物であれば、より強い影響力を発揮できます。

■ファシリテーションスキル

カスタマーサクセスの対応は、必ずしも「1対1」で完結するわけではありません。

ときには、顧客企業の中で複数の関係者が関わることもあれば、別の担当部門を交えてチームで課題解決に取り組むケースもあります。そのような場合に必要なのがファシリテーションスキルです。

相手の立場を理解しながら意見を尊重し、公平に議論を進める共感力と傾聴力が求められるのと同時に、その中には、プロジェクトの意思決定を左右するキーマン(重要人物)が含まれていることもあります。

多様な関係者との調整を円滑に進め、キーマンを含む合意形成を導く力は、カスタマーサクセスの価値を高める重要なスキルと言えるでしょう。

■エンパシー(共感)スキル

顧客は、最初からすべての課題や不安を率直に話してくれるとは限りません。

「この人なら話してもいい」「ちゃんと分かってくれそう」と感じてもらえることで、初めて本音や真の課題が出てきます。

カスタマーサクセスの本質は「課題を解決すること」がゴールではなく、顧客が納得し、前向きにサービスを使い続けられる状態をつくることです。

感情のケアが顧客の本音を引き出し、信頼関係を築くための土台になり、顧客の状況に合ったサポートができるようになります。まずは顧客への興味が共感になります。

■ ロジカルシンキングスキル

顧客からの要望や不満は、表面的なものが多く、そのまま対応すると的外れな支援になってしまうこともあります。その為、感覚や経験だけでは対応しきれない「複雑な課題」に対して、的確に状況を整理し、解決策を導く力が求められます。

CSは共感も大切ですが「相手の話をただ受け止める」のではなく、「なぜそうなるのか?」「それは事実に基づいているか?」といった視点で構造的に理解し直し、わかりやすく返す力が求められます。

■補足■

エンパシーとロジカルは一見すると対局(矛盾)の概念に見えますが、カスタマーサクセスのような「人とサービスの間に立つ仕事」ではバランスが重要になり、両立してこそがプロとしての価値になります。

顧客が不満を訴えたとき

  • エンパシーで気持ちを受け止める
  • ロジカルに原因を分析し、改善策を提案する

→ 感情面への配慮と、事実ベースの対応を両立することで、信頼と納得を得られます。

社内の技術チームと連携・調整するとき

  • ロジカルに状況を説明する
  • エンパシーを持って背景を共有する

→ 技術的な冷静な情報と、顧客心理に関する配慮をセットで伝えることで、社内連携の質も高まります。

 ロジカル × エンパシーは矛盾ではなく“補完関係”

  • ロジカルだけ:冷たい、押しつけがましいと感じられることも
  • エンパシーだけ:感情に流されて的確な判断ができないリスクも

だからこそ、論理で道筋をつくり、共感で信頼を築くという両輪が、カスタマーサクセスにおける理想のあり方です。

コミュニケーションのチェックポイント

顧客の成功は、全ては一言一言の対話から生まれます。

なぜ「コミュニケーション」がCSの成否を分けるのか?

カスタマーサクセス(CS)の本質は、「顧客の成功を第一に考える」こと。

BtoBビジネスにおいては、顧客が成果を実感し、継続して活用してくれることが、収益の持続的成長につながります。

そしてその土台となるのが、日々のコミュニケーションです。

「言った・伝えた」ではなく、「どう伝わったか」「どんな関係を築けたか」が問われるのがCSの現場。

だからこそ、担当者一人ひとりが、自分の対話や伝え方の質を定期的にチェックすることが欠かせません。

コミュニケーションの7つの視点とチェックポイント

以下は、カスタマーサクセスに必要な7つの観点から整理したチェックリストです。

① 誠実さ・敬意

  • 相手の意見を否定せず、まずは受け止めているか
  • 言葉遣いや態度に敬意が感じられるか
  • 自社の非も率直に認めているか

② 共感・理解の表現

  • 感情に寄り添ったひと言を添えているか(例:「それはご不安でしたね」)
  • 顧客の背景や状況に理解を示せているか
  • 相手の話を反復・要約して確認しているか

③ 論理性・根拠提示

  • 結論から端的に話しているか
  • 提案や説明に事実やデータを添えているか
  • 話の構成に一貫性があるか(課題→原因→対応)

④ 相手目線・意図理解

  • 相手の役割・関心を意識した伝え方をしているか
  • 担当者やキーマンそれぞれの立場に配慮できているか
  • 「なぜこの話をしているか」が相手にも明確か

⑤ 余白・協議姿勢

  • 一方的に進めず、相手の意見を引き出しているか
  • 決めつけずに選択肢を提示しているか
  • 「一緒に考える」姿勢を示しているか

⑥ 解決策・今後の提案

  • 単なる情報提供に終わらず、行動につながる提案をしているか
  • 顧客の目標に沿った打ち手になっているか
  • 「次にやること」が明確か

⑦ 関係維持の意識

  • 感謝・労いの言葉を適切に伝えているか
  • 問題解決後のフォローアップを行っているか
  • 顧客の変化に気づき、タイミングよく連絡しているか

顧客がサービスを通じて成果を実感し、満足し、周囲に薦めたくなる体験を得ることで、サービスの価値は自然と広がっていきます。

その積み重ねが、新たな顧客の獲得や継続利用へとつながり、結果として自社の成長が“複利”のように加速する——それこそがBtoBビジネスにおけるカスタマーサクセスの真髄です。

そのために、私たちが日々のコミュニケーションで意識すべきなのは、「何を話したか」だけでなく、「どう伝えたか」「どんな関係を築いたか」。

記事内のコミュニケーションチェックリストも参考にしながら、誠実さ・共感・論理性・相手目線など、あらゆる角度から対話の質を磨いていきましょう。

顧客の成功に本気で向き合うことが、ビジネスの持続的成長につながる最も確かな道です。

コミュニケーションチェックリストをダウンロードする

そこで今回は、BtoBカスタマーサクセスにおいて実践的に役立つ「コミュニケーションチェックリスト」を資料としてご用意しました。

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個人情報の入力は不要、ダウンロードリンクからExcelファイルをダウンロードしていただくことで、どなたでも無料でお使いいただけます。

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