テレアポは断られてからが勝負 「切り返しトーク術」必勝ガイド

テレアポは「断られるのが仕事」と割り切っていても、冷たい「結構です」の一言で心が折れそうになることもありますよね。しかし、テレアポ上級者は、その厳しい現実を知っているからこそ口を揃えて言います。「断られてからが本当の勝負だ」と。

この記事では、テレアポの成功率を劇的に上げる「切り返しトーク」の秘訣をお伝えします。

テレアポにおける「断り」の現実

お客様が電話口で発する最初の「間に合っています」「必要ありません」は、実はあなたの提案内容を深く理解した上での拒否ではないことがほとんどです。

その断りの理由は、大きく分けて下の2点に絞られます。

  1. 反射的な拒否: 突然のセールス電話に対する、防衛本能のようなもの。
  2. 警戒心: 「時間を奪われるのではないか」「押し売りされるのではないか」という不安。

つまり、お客様は商品やサービスではなく、「突然の電話」そのものを反射的に断っているのです。

切り返しトークの役割

そこで重要になるのが「切り返し」です。

切り返しトークの最大の役割は、お客様の警戒心を取り払い、「聞く耳を持ってもらう」ための最後のチャンスを生み出すことにあります。

この数秒間で、反射的な拒否を「少しだけ聞いてみようかな」という心理状態に変えることができれば、アポ獲得の可能性は一気に高まるでしょう。

次に、この切り返しを成功させるための「心構え」と「基本ルール」を紹介します。

切り返しトークの「心構え」と「基本ルール」

どれだけ素晴らしいトークスキルを持っていても、お客様から断られた瞬間に「どうしよう…」と焦りが声に出てしまっては、切り返しは失敗に終わります。まずは、プロが持つべき「心構え」を確立しましょう。

1. 切り返し前のマインドセット(姿勢)

① 「断り=拒否」ではないと捉える

お客様はあなた個人や、あなたの提案を拒否しているわけではありません。単に「セールスは面倒」「今は手が離せない」という状況や感情を表明しているだけです。

「この断りはお客様の反射だ」と理解し客観視することができれば、冷静さを保ち次の言葉が出やすくなります。

② プロフェッショナルな自信を持つ

お客様に「話を聞く価値がある」と思ってもらうためには、あなたの声のトーン、話し方、落ち着きが決定的に重要です。

  • 声はワントーン上げ、落ち着いたスピードで話す。
  • 「恐る恐る」ではなく、「重要な情報を提供するために電話している」という自信を態度で示す。

2. 成功に導くための基本テクニック

断られた後のトークには、会話の主導権を失わず、再度興味を引くための3つの黄金ルールがあります。

基本ルール1:否定しない、同意する

お客様の断り(意見)を真っ向から否定すると、会話はそこで終了します。まずは相手の立場に同意し、共感を示すことが、信頼関係の土台となります。

  • 悪い例: 「いえ、そんなことはないんですよ!」
  • 良い例: 「お忙しいのはよく分かります。そうですよね、皆様そのようにおっしゃいます。」

同意を示してから「とはいえ」「ただ」といった言葉に繋げると、お客様は反発しにくくなります。

基本ルール2:質問で返す(主導権の維持)

同意した後に、一方的な説明に戻ってはいけません。会話の主導権を維持し、お客様の課題を引き出すために「質問」で返します。

例: 「ちなみに、現在の〇〇の運用状況について、一つだけお伺いしてもよろしいでしょうか?」

質問によって、お客様はセールストークではなく「対話」に参加している感覚になります。

基本ルール3:提供価値を再定義する

切り返しトークの結びに、改めてあなたの提案の「核心的な価値」を、簡潔かつ具体的なメリットとして再提示します。

長々とした機能説明は不要です。お客様が抱えるであろう最大の課題を解決できる、一点突破の価値を伝えます。

例: 「このサービスは、御社の△△のコストを平均20%削減できる唯一のツールです。その点だけでも、ぜひお聞きいただきたいのです。」

【実践編】テレアポでよくある断り文句と切り返し例

ここからは、実際のテレアポで頻繁に登場する5つの断り文句に対する、具体的な切り返しトークと、その背後にあるお客様の心理を解説します。

断り文句①:「間に合っています/必要ありません」系

これはテレアポで最も多い、典型的な反射的な断りです。お客様は「自分の会社には関係ない」と決めつけているか、現状に満足している(または課題に気づいていない)心理状態にあります。

切り返しトーク例(メリット訴求型)

A. 同意から課題の引き出しへ

「ご協力いただきありがとうございます。そうですよね、皆様、現状のシステムで間に合っているとおっしゃいます。ただ、弊社の導入企業様の9割が、『今のやり方では気づけなかった〇〇のムダ』を発見できたとご評価いただいています。ちなみに、現在の△△に関する最大の課題は何でしょうか?」

  • ポイント: 「皆様そうおっしゃいます」と共感することで警戒心を解き、「9割の顧客が発見したムダ」という具体的な実績で興味を引くことが重要です。

 断り文句②:「忙しいので/時間がないので」系

お客様が本当に多忙なケースと、「忙しい」を理由にして話を切り上げたいケースがあります。どちらにせよ、時間に対する誠意を見せることが不可欠です。

切り返しトーク例(時間限定型)

A. 短時間での提案を試みる

「お忙しい中、大変失礼いたしました。承知いたしました。では、30秒だけで結構です。この〇〇(最新情報や具体的な実績)について、他社事例だけでもお聞きいただけますでしょうか?もしご不要でしたら、すぐに電話を切りますのでご安心ください。」

B. 改めての連絡確約(本当に忙しい場合)

「承知いたしました。大変申し訳ございません。改めてご連絡差し上げます。明日以降で、何曜日、何時頃が比較的お電話しやすいか、教えていただけますか?」

  • ポイント: 「30秒だけ」や「すぐに電話を切る」という具体的な時間的コミットメントでお客様の心理的負担を下げます。再コールのアポを取る場合も、曖昧にせず具体的な日時を聞き出すことが重要です。

 断り文句③:「上司に相談しないと/決裁権がない」系

これは、お客様が「興味はあるが、自分で決められない」「話を先に進めるのが怖い」と感じている場合に発せられます。ここでは、決裁者への「報告しやすい材料」を提供することが目標です。

切り返しトーク例(情報提供型)

「ありがとうございます。では、その上司の方にご説明いただくための最重要ポイントを、私がこの場で簡潔にお伝えするので、5分だけお時間をいただけないでしょうか?資料だけでは伝わりにくい成功事例がございまして、ここがご検討の鍵になります。」

  • ポイント: 「資料だけでは伝わりにくい」という言葉で会話の必要性を強調し、「上司へのサポート」という形で協力を申し出ます。

 断り文句④:「資料を送ってください」系(保留)

「資料請求」は、お客様が会話を穏便に終わらせるために使う「とりあえずの保留」であることがほとんどです。単に送るだけでは、資料は読まれずに埋もれてしまいます。

切り返しトーク例(確認・コミットメント型)

A. 興味の深度を測る

「もちろんすぐにお送りします。差し支えなければ、資料のどの部分(例:コスト削減、業務効率化)を重点的に見ていただきたいか把握したいので、〇〇の目的について一つだけお伺いしてもよろしいでしょうか?」

B. 次のアクションを決める

「資料をお送りした後、メールでフォローするのと、お電話で簡単にご説明させていただくのと、どちらが確実にご覧いただけますか?もしよろしければ、来週の水曜日の午前中に、5分だけお電話を差し上げてもよろしいでしょうか。」

  • ポイント: Aのように「一つだけ」と限定質問することで回答のハードルを下げ、お客様の真の関心事(ニーズ)を引き出します。Bのように次回の具体的なアクションを約束させることがアポ獲得に繋がります。

断り文句⑤:「営業ならお断りします」系

これは、テレアポに対する最も強い警戒心を示す言葉です。お客様は過去の不快な経験から、「売り込まれる」ことに対して強い拒否反応を持っています。ここでは、あえて営業であることを認め、その上で緊急性の高い価値を提示することで、警戒心を打ち破ります。

切り返しトーク例(あえて認める挑戦型)

「はい、営業です。ですが!」

「今、御社の貴重な時間をいただくのは、押し売りをするためではありません。私がたった30秒で確認したいのは、御社が今、年間〇〇万円のコスト増につながる〇〇の危険性に気づいているかどうか、という点だけなのです。その点だけ、ご確認いただけますでしょうか?」

  • ポイント: まず「営業であること」をきっぱり認め、お客様の予想を裏切ります。その後に「ですが!」と強い言葉で切り返し、「コスト増につながる危険性」といった緊急性の高い具体的メリットを提示することで、反射的な拒否を論理的な興味へと変えることを試みます。

切り返しトークのブラッシュアップと練習法

知識として切り返しトークを理解するだけでは、実践で「反射的な言葉」として出てきません。ここでは、トークスキルを確実に定着させるための具体的なトレーニング方法を紹介します。

1. 自分の「話し方」を客観的に聞く(録音と分析)

最も効果的な練習法は、自分の電話を録音し、聞くことです。

  • 何を確認するか:
    • 断られた瞬間に声のトーンが落ちていないか?(自信の欠如)
    • 切り返しのフレーズが早口になっていないか?(焦り)
    • 同意(共感)のトーンが形式的になっていないか?(誠意の欠如)

意識すべき改善点を明確にし、次の電話でたった一つだけ修正することを目標にしましょう。

2. ロールプレイングで反射神経を鍛える

同僚などとペアになり、ロールプレイングを徹底的に行いましょう。特に、「断り文句を言われたら、0.5秒で次の同意フレーズが出る状態」を目指します。

ロールプレイングでは、実践編で紹介した4つの断り文句をランダムに投げてもらい、型通りに切り返す練習を繰り返してください。型が身体に染み込めば、本番でも冷静に対応できます。

3. 「失敗事例ノート」でトークを微調整する

上手くいかなかった断り文句や、お客様が独自の切り口で断ってきた事例を必ず記録しましょう。

  • 記録項目: お客様の断り文句 → 自分の切り返し → お客様の反応(会話終了or継続)
  • 分析: なぜ会話が途切れたのか? 代わりにどんな質問をすれば良かったか?

この改善サイクルを回すことで、スクリプトにはない、あなただけの生きた切り返しトーク集が完成します。

まとめ:切り返しは「お客様への配慮」

テレアポにおける「切り返し」とは、単なる営業テクニックではありません。それは、「あなたにとって本当に価値ある情報なのに、このまま知らずに終わるのはもったいない」という、お客様へのプロとしての配慮を示す行為です。

お客様の「断り」に一喜一憂せず、「警戒心を取り除く」というマインドセットを持ち、本記事で紹介した同意→質問→価値再定義のステップを実践すれば、アポ獲得率の向上が実現できます。

今日からあなたのテレアポは「断られてからが勝負」です。この記事のトーク術を武器に、ぜひ次のテレアポに挑戦してみてください。


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